探偵と警察の関係性は?トラブルに遭った時に相談するならどっち?

探偵と警察の関係性は?トラブルに遭った時に相談するならどっち?

警察と探偵は、どちらも調査をし証拠を掴むイメージがありますが、何か違いがあるのかご存じでしょうか。
普段の生活の中で困り事やトラブルに遭った時に相談する先は警察と探偵のどちらがいいのかなど、本記事でご説明します。
参考にしてみてください。

探偵と警察の関係

はじめに、探偵と警察には協力関係のようなものはあるのかどうかを考えていきます。
近しい存在のように感じる両者ですが、探偵と警察の間には基本的には協力関係のようなものはありません

あの有名なアニメの「名探偵コナン」をテレビや映画を見ていると、探偵と警察がタッグを組んで事件を解決している様をよく目にしますが、実際には互いに協力し、事件を解決するような事はほとんど無いといいます。
稀に警察から協力依頼を受ける探偵が存在するようですが、探偵も警察もお互いに守秘義務がある為、情報交換は行われないようです。

守秘義務とは?

探偵業や、警察などの公務員には職務上知り得た秘密・情報を漏らしてはいけないといった守秘義務があります。

守秘義務が課せられる職業には、公務員や探偵業(興信所)の他、弁護士、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、社会保険労務士、海事代理士、医師、看護師などがあり、各職業にはそれぞれ守秘義務を負う事が法律で定められています。

公務員公務員法
探偵業探偵業法
弁護士弁護士法
弁理士特許業務法
税理士税理士法
司法書士司法書士法
土地家屋調査士土地家屋調査士法
行政書士行政書士法
社会保険労務士社会保険労務士法
海事代理士海事代理士法
医師医師法
看護師看護師法

上記のような守秘義務が課せられる職業の特徴は、個人情報を取り扱う業務が主になるという事です。上の表では「探偵業」という記載にしてありますが、興信所も同様に探偵業法第10条が適用されます。

探偵業法とは?

探偵業法とは探偵業に関する法律となりますが、探偵業法の中で、探偵業を営むには公安委員会に「探偵業開始届出書」の提出から始まります。届出を行い、営業所やウェブサイトへ「探偵業標識」を掲示することが義務付けられています。また、この手続きは業務開始の前日までに申請する必要がある事を覚えておきましょう。提示義務の免除が「常時使用する従業者の数が5人以下である場合」「当該探偵業者が管理するウェブサイトを有していない場合」にありますが、「探偵業標識」があることで、探偵事務所の信頼性が保証されます。

守秘義務違反をするとどうなるのか

守秘義務を守らなかった場合、守秘義務違反となりますが、罰則は一律ではなく、各職業に関係する法律(規則)により変わってきます。

探偵と警察の違い

探偵と警察の違い

探偵と警察は協力関係にないとなると、両者の業務内容の違いは何でしょうか。

大きな違いは、探偵は民間の調査機関となり主に民事事件に対応する事に対し、
警察は公共の安全を維持する行政機関となり、殺人や強盗、傷害などの犯罪・刑事事件を取り扱います。
更に、探偵は民間という事から、捜査権や逮捕権を持ちませんが、警察は、捜査権や逮捕権を持っており、被害者保護や加害者へ加害行為を止めさせるようにする為の警告などもする事ができます。
このように探偵は依頼者の為に調査をし、警察は公共の利益を最優先して活動します。

人探し」について探偵と警察の違いがわかりやすいかもしれません。
「人探し」をする際に、警察は「捜索願」を受け付けてくれますが、必ずしも積極的に捜索してくれるわけではありません。一方、探偵事務所の場合は、依頼を受け契約後、警察が捜索してくれなかった行方不明者でも契約や法律の範囲内で捜索をしてくれます。

項目 探偵 警察
役割 民事トラブルの解決、証拠収集 公共の安全と秩序の維持、犯罪の予防と捜査
依頼者 個人や企業 国家、市民
調査対象 浮気調査、行方不明者の捜索、企業内部調査 犯罪捜査、交通違反の取り締まり、地域の安全確保
法的権限 なし あり(逮捕権、捜索権など)
費用 依頼者が負担 税金で運営
守秘義務 依頼者のプライバシーを守る 捜査情報の漏洩を防ぐ
資格 特別な資格は不要 公務員試験と訓練が必要

探偵業の役割とできること

さて、探偵と警察の関係性において協力関係はほぼ無いという事は上述しましたが、探偵はどのような事をできるのか、もう少し掘り下げます。

探偵は民事事件に関する調査を専門に行います。
個人や法人などの依頼者から、浮気調査や人探し、盗聴・盗撮の調査など依頼を受けてはじめて調査を開始し、調査結果を依頼者に報告します。依頼を受け、聞き込みや尾行などの手段で調査を実施し依頼者に報告する探偵業務を行う営業を「探偵業」といいますが、探偵業社は「探偵業の業務の適正化に関する法律」により業務運営の適正を図る必要があります。

探偵は捜査権や逮捕権は持ちませんが、獲得した証拠は民事裁判に使用される事が多い他、警察の捜査のきっかけとなる事があります。

また、ある日突然、依頼を受け探偵を名乗っても良さそうな気にさせますが、探偵業として営業をするには都道府県の公安委員会への届出が必要です。
探偵業には、上述した守秘義務の他、名義貸しの禁止などいくつか規制が設けられています。
このような規制の下で営まれる事で違法な調査や情報漏洩などが防がれ安全に探偵に依頼する事ができるのです。

警察の役割とできること

一方、警察はというと、刑事事件を取り扱います。
警察は被害届の受理をきっかけに捜査を開始しますが、被害届は証拠不十分などの理由で受理されない事があり、捜査も先着順というわけではありません。

社会を安全に維持する事が活動の中心となり、優先順位の高い重大な事件の捜査に注力されるため、状況次第で優先順位が下がってしまう可能性があるといえます。

また、警察と一括りに言及しましたが、“刑事”と“警察官”など、言い回しが違う名称をよく耳にします。
何か違いがあるのかと調べてみたところ、両者は一般市民の私たちから見ると同じ事を指すようです。

警察組織内でいうと、刑事部に所属し犯罪捜査に従事する警察官の事を「刑事」と言うようなのです。大きな括りは警察官で、その中の一部が刑事という事なのですね。

まとめ

本記事では探偵と警察の違いに焦点を充て互いの関係性や役割についてご説明しました。

探偵と警察は似ているようで、権限や役割が違うのですね。
警察は私たち市民にとって頼りになる存在です。
しかし刑事事件とならなければ優先順位もあり、私たちが望むような動きはしてくれないかもしれません。

一方、探偵は主に民事事件の調査に対応してくれます。
依頼主からの依頼があれば迅速に調査に動いてくれる事でしょう。

もしあなたにトラブルがあればこのような違いを知ったうえで、迅速に相談しましょう。
きっとあなたの力になってくれるはずです。

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