ある日突然「子供が帰ってこない、家出?」「家出した子供と連絡がつかない」というような事態になると
親としてはお子さんが心配でどうすればいいのか、何か事件や事故に巻き込まれていないか、また、お子さんが無事に帰ってきた時に父として、または母として、どんな言葉をかけると良いのかと、頭を悩ましているかもしれません。
一般的に家出というのは、親に何も告げず家を出て行き戻らないような状態を指しますが、
子供が家出する原因や心理はどのようなものなのでしょうか。
また、実際に子供が家出してしまった際に、相談する場所や探し方など知っておくことで冷静に対処できる可能性があるので本記事が参考になればうれしいです。
目次
子供が家出する原因と心理
はじめに、子供が家出する原因に心当たりがありますか?
多くの場合、「家庭環境や親との対立」「学校でのトラブル」「子どもの好奇心や冒険心」という3点が子供の家出の原因となるようです。順にみていきましょう。
家庭環境や親との対立が原因
子どもが家出する原因として「家庭内でのストレスや不満」が原因で家出をすることが多いようです。
特に、親からの過度な期待や要求がプレッシャーと感じたり、過干渉、反対に無関心が影響し家庭内でのストレスや不満に繋がる事が多いとされています。その結果、家に居場所が無いと感じてしまい家出という行動に出てしまう場合があります。
また、子供が小学生、中学生、高校生と成長するにつれ家庭内での問題は複雑になってくる事が予想されます。思春期に入ると、親との意見の相違から反発心による家出となる事もあります。
親としては子供が間違った方向に進まないように、また、困らないようにと手を差し伸べ誘導しているつもりですが、子供からするとストレスに感じるほど干渉しているかもしれません。過度な干渉はしていませんか?親が良かれと思い、本人の意思に関係なく習い事に通わせたり、進学先や就職先などを親本位の価値観を押し付けたりはしていませんか?親の過度な押し付けが反発心を招く事に繋がりやすいので、一度親と子どもの関わり方を見返してみると良いかもしれません。
反対に、親が子供に無関心だと子供は「自分は愛されていない」と受け取ってしまう事があります。例えば、家族で食事をする事がなく、娘や息子に食事代としてお金を渡しておくというような事が日常化していると、大人だとしてもそのような家族関係に疑問が芽生えますね。お金を渡しているからいいのではなく、しっかりとお子さんの悩みやSOSに向き合う事をしなければ、遠くない未来に「家出」という行動をしてしまう事は必然的かもしれません。
また、ネグレクト気味の家庭だと「避難」といった趣旨で居場所を探し家出に繋がるケースがあります。
ネグレクトとは
子どもを遺棄すること、健康状態を損なうほどの不適切な養育、あるいは子どもの危険について重 大な不注意を犯すこと、をネグレクトといいます。
ネグレクトは育児放棄ともいわれる児童虐待に該当しますが、自分で自分のケアをする事ができない子どもに対し不潔なままにする事や食事を与えないなどとお世話を放棄してしまうと、当然命を守る為の行動として「避難」という家出を選択する子どもがいるでしょう。しかし、外に助けを求める事のできない子もいるのも現実です。このような状況から家出をする事は悪い事とは言えないでしょうが、複雑な問題です。
また、子どもが単独で家出したケースではなく、妻(または夫)が子どもを連れて家出してしまっているという場合があります。その場合気になるのは、第一に2人の安否ですが、子どもが未成年の場合は親権についても気になるところでしょう。相手が子どもを連れて家出をしてしまうのは、離婚を視野に行動している場合が考えられます。この場合は、警察に依頼する家出人の捜索というよりは家庭裁判所で離婚に向けた話し合いを進める事になります。
このように家庭内においても家出に至る理由は様々ですが、こうした家庭内の付き合い方や親との関係が原因となり「家出」という選択をすることがあります。
学校でのトラブルが原因
友達とのちょっとしたトラブルから発展し子供がいじめにあっている、または人間関係のトラブルを抱えているという場合、家出の引き金になることがあります。
いじめや人間関係のトラブルにあっていても、子供は「親に知られたくない」「親を心配させたくない」といった思いから、現状を親に打ち明けてくれない可能性が高いです。
気づいてほしいのだけど気づかないでほしいなどの心の葛藤から「家出」という選択を取る可能性があります。
子供が、もしもいじめにあっていたら、それはとても深刻な問題です。
どうにか子供の変化を汲み取って、「その学校しか選択肢が無いわけではない」という事を伝えてあげたいところです。
子供の好奇心や冒険心が原因
好奇心や冒険心が先立つ家出は、少し今までのケースとは異なるかもしれません。
特に家庭内に不満があるわけではなく、興味が先に立ち家を飛び出すといった場合です。
子どもが出している家出の兆候
お子さんはどんな様子で過ごしていましたか。家出をしてしまう前に何か兆候があったかもしれません。子どもの家出の兆候には行動や持ち物、感情において次のような変化がみられる可能性があります。
行動の変化
急に部屋にこもりがちになったり、家族や友人とのコミュニケーションが減少するなど、普段と違った行動をとるようになります。
持ち物の変化
持ち物が減った、またはバッグに荷物がたくさん詰められているなどの場合、家出の準備をしている可能性があります。
感情の変化
なんでもない事で怒りやすくなったり、過度に悲しんだりするなど、感情の起伏が激しいように見られることがあります。また、SNSや日記にネガティブな投稿が増えるなど思い悩んでいる兆候が見られるかもしれません。そうすると、家出ではなく非行に走ってしまう事もあるかもしれません。
家出した子にかける言葉
家出した子供が無事見つかり、再会できた時にどのような言葉をかけると良いのでしょうか。
親は心配と怒りと安心と、気持ちに整理が付かない状態だと思います。
その時の状況や子供の気持ちに応じて最適な言葉は違ってくると思いますが、安心感や理解を示し、子供がゆっくりとでも落ち着いて話が出来る環境を与えてあげる事につきます。
家出した子供にかける言葉のポイント
- 安心感を与える・・・無事でいてくれた事の感謝を伝える。「無事でよかった」「もう大丈夫だよ」
- 非難をしない・・・何があったのか冷静に話を聞くスタンスをとる。「一人で不安だったね。何があったか聞かせてくれるかな」
- 理解を示し信頼関係を築く・・・否定ではなく共感の姿勢。「わかるよ。お母さんも不安だったよ。一緒に考えてみようか」
- サポートをする気持ちがある事を伝える・・・味方がいるという事をわかってもらう。「パパもママもあなたの味方だよ」
ゆっくりと子供の気持ちを知る事で、家出の再発防止策を考える事ができます。
原因が親子関係にあるのなら関係性を見直し、学校でのトラブルが原因なら別の選択肢も子供と共に検討していくと良いのではないでしょうか。
【参考】文部科学省 子供のSOSの相談窓口
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06112210.htm
子供や保護者がSNSや電話、チャット、対面で相談できる窓口があります。
何かが起こる前に、または起きた時に活用できます。
子どもが家出してしまった時に考えられる危険とは
子どもが家出してしまうと、子供が事件や事故に遭遇する危険がまず頭に浮かびます。特に小学生など低年齢の子供の場合は誘拐や迷子、そして事故のリスクが高まります。また、年齢が中学生や高校生と上がっていくと、夜の街徘徊などや不良グループとの付き合いなどから非行や犯罪に発展してしまうリスクがあります。
子供が家出した場合の探し方や対処法
子供が家出をした時に、自分でできる範囲の探し方と、警察や探偵といった「プロ」にお願いする範囲を分けてご紹介します。
自分でできる範囲で子供を探す
まず、親として家出した子供を見つける為には、本人に連絡を取ってみる事が先決です。
本人に連絡が取れなければ友人や親族、学校など子供の身近な人に連絡を取り情報を集めましょう。
連絡以外の手がかりを探すには、子供の私物を確認してみる事や、思い当たる場所を探す事です。
ここまでで何かヒントが得られるかもしれません。
警察に捜索を依頼する
子供の家出の相談先で一番に思いつくのはやはり「警察」の力です。
もしも、家出した子供が「小学生以下の場合」「事件・事故が疑われる場合」「自殺を示唆している場合」は、緊急性が高いので直ちに警察へ連絡してください。
というのも、警察は「特異行方不明者」に該当するケースでは無ければ探してくれる可能性は低くなります。
「特異行方不明者」は行方不明者届(捜索願)が提出され、「一般家出人」ではなく「特異行方不明者」として
受理された人が該当しますが、13歳未満の子供は「特異行方不明者」として扱われる事が多いといいます。
もし「一般家出人」となったとしても、仮に警察が対象者を見つけた際に発見した旨の連絡が届くので安否は確認できます。
子供が家出をしたらまずは警察に連絡しましょう。
探偵
探偵に子供の捜索を依頼すると、警察とは違い事件性の有無に関わらず迅速に探してくれる事が期待できます。
また、独自のネットワークを活かし、個人情報を漏らさずに捜索してくれるため、自分で探すよりはるかに効率的で安心感があります。
探偵に調査を依頼する場合には費用が発生しますが、相場は10万~100万円と幅広いようです。
各社、調査に参加する人数や料金体系に違いがあるので複数の探偵事務所に見積りをもらい、信頼できる探偵社に依頼するようにしましょう。
また、できるだけ多くの情報の提供や調査範囲など確認する事で調査日数が短縮され、結果的に費用も抑える事が出来るので依頼する際は、探偵に細かく認識のすり合わせをすると良いでしょう。
まとめ
子供が家出してしまったら、親としてはとても心配ですね。
ましてや、その子供が幼い場合は緊急性が高いので直ちに警察や探偵に捜索を依頼しましょう。
家出は、早ければ早いほど発見の確率が高く、7日以降の発見率は下がると言われています。
早急な対応が重要です。