「素行調査」は、平々凡々に生活していると自分の身に起きることのない調査だと思っていませんか。
多くの場合はそのとおりかもしれません。
しかし、例えば家庭内において「妻の金遣いが最近荒くなったような気がする…」、会社では「誰かが他社に極秘情報を流しているようだ…。」など、何かおかしいと感じる事が起きたら、真実を知りたいと考えるのではないでしょうか。

そのような時に、素行調査をする事を検討すると良いかもしれません。
本記事では「素行調査とは何か」という事から、素行調査の利用シーン、更に素行調査の違法性まで解説しています。それほど別世界の話でもない素行調査。参考にしてみてください。

素行調査とは

「素行調査」という言葉、耳にした事はあるでしょうか。
普段の生活ではあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。

素行調査というのは、調査対象者の行動や身辺を詳しく調べ生活状況を調査する事を指します。
調査の目的は、「浮気」の調査だったり「金銭のトラブルが無いか」といった調査だったりと
まさに、対象者の素行を調査しトラブルを未然に防ぐといった目的になります。
また、素行調査は、個人を調査するだけではなく組織に対して、または会社が社員に対しても調査が行われるケースがあり、まさに、調査対象者の信頼性や真実性を明らかにする調査といえます。

素行調査の利用シーン

素行調査はどのような場面で調査依頼をするのか、次にいくつか調査が利用される例を挙げます。

採用プロセスでの背景確認

企業が新規で従業員を採用をする場合、その採用候補者の経歴や信頼性を確認するために教育歴や職歴などの素行調査が行われるケースがあります。しかし、採用時の調査は調査方法によっては違法となる場合があるので注意が必要です。

調査する際に気を付けるポイント

本人に調査する事の同意を得ているか

前提として、調査を実施する場合、事前に調査対象者に同意を得ている事が必要です。もし同意を得ずに調査をすると違法となってしまうので注意しましょう。

要配慮個人情報の調査や取り扱い

要配慮個人情報というのは、不当な差別や偏見、その他の不利益が生じないよう特に配慮が必要な個人情報となりますが、その情報は人種や病歴、犯歴、医療に関する情報などが該当します。このような要配慮個人情報を同意を得ていない場合、更に利用目的を伝えその利用目的以外で情報を取り扱うと違法となります。

ビジネスパートナーや投資対象の評価

リスクを最小限に抑えるため、投資家やビジネスパートナーの素行や信頼性を評価する際にも素行調査が活用されます。

浮気調査・不倫調査など個人間の関係での利用

相手の過去や現状把握に素行調査が行われます。
「浮気調査や不倫調査」の場合は、パートナーの不貞行為が疑われた時、不安を解消し信頼関係を再構築するために、または、適切な判断を下すために素行調査が利用されます。
また、近年増えつつある「結婚詐欺」トラブルを未然に防ぐ目的でも素行調査を行うケースが増えています。
結婚相談所で知り合った人やSNSでの出会いなど、バックグラウンドをよく知らない相手との出会いが増えたことにより、トラブルを未然に防ぐ目的で相手の情報を調査します。
その他、個人間の関係での素行調査には「金銭トラブル」も依頼内容としてあります。

不正行為の監視

素行調査は、不正行為の監視にも利用される事があります。
例えば従業員の不正が疑われる際に、尾行調査や張り込み、聞き取りなどの方法で勤務態度や反社会的勢力との関係性など行動の監視が行われます。

素行調査は違法性があるか？

さて、ここまで素行調査について概要を説明してきましたが、素行調査をする事に違法性はないのかと心配になります。
素行調査は違法とも言い切れませんが、なんでもかんでも合法というわけではありません。
それはどういうことかと言うと、法に触れない範囲内での調査が合法という事です。
素行調査は法的な知識を持って違法行為を回避しつつ慎重に行う事が求められます。
したがって、調査方法によっては違法となる場合があるので注意が必要です。

違法と見なされるリスクのある調査例

違法と見なされる調査例をいくつかご紹介します。

他人の敷地や住居に無断で侵入、及び盗聴や盗撮

素行調査の目的で他人が所有する敷地内や住居に断りもなく侵入することは、たとえ探偵業の許可を得ていても違法となります。
また、盗聴や盗撮なども不法行為として禁止されています。

プライバシーを侵害する

調査対象者の家の中を覗いたり、無断で個人情報を公開する事は素行調査であってもプライバシーを侵害する行為として違法となります。

ローンの利用状況や返済状況など信用情報を許可なく収集し使用

信用情報とは、ローン契約状況や残高、返済情報などの金融取引情報の記録ですが、
その信用情報を無断で収集し情報を使用する事は違法となります。

なりすまし行為で情報を得る

他人や本人のふりをする「なりすまし」行為で情報を入手する事も違法です。
なりすましはSNS上でのなりすましが有名ですが、電話で他人になりすまし極秘の情報を入手するなども該当します。

差別や人権侵害につながる調査

特定地域の出身や在日外国人の問題などは人権侵害につながる事から調査できません。
被害者から告訴され起訴されると罪に問われるリスクがあります。

執拗な待ち伏せや尾行

執拗な待ち伏せや尾行を行なう調査は、恋愛感情があると誤解され、場合によってはストーカー行為の対象となり違法となるリスクがあります。

素行調査と身元調査（身辺調査）の違い

さて、素行調査と同義なのかと思われる調査に「身元調査（身辺調査）」がありますが、何か違いはあるのでしょうか。

違いは、調査範囲と内容にあるようです。

素行調査は行動調査とも呼ばれ、主に対象者の最近の行動を主軸に調査が行われるのに対し、身元調査（身辺調査）は、その対象者がどのような人物なのかを対象者の現在から過去の経歴や背景が広く調査されます。また、身元調査は身辺調査や身上調査などとも言われます。

したがって身元調査（身辺調査）調査は素行調査より広範な情報を収集します。婚前調査も該当します。

このように素行調査と身元調査（身辺調査）の違いは、調査範囲や調査をする内容が大きな違いとなってきますが、調査対象期間が過去に遡れば遡るほど探偵にとって調査の難易度が高まります。

調査の内容や調査方法

素行調査の調査内容は、氏名や所在、勤務先などの基本情報から交友関係、生活ぶり、学歴や職歴などの経歴などが調査されます。
先にも言及したように調査対象者の最近の行動にポイントを絞り調査され、調査方法は、尾行や張り込み、聞き込みなどで調査されます。また、特殊機材を用いての調査もありますが調査は法律の範囲内で行われる事が大前提です。

素行調査の費用

自分で素行調査は出来ますが、法的知識のない状態で調査を進める事は違法となる可能性がある為、不安があります。そこで、探偵に調査を依頼する事をおすすめします。探偵に素行調査を依頼した場合の調査料金について、調査範囲や調査プラン、パック料金の有無、成果報酬型、動員される人数などにより各社違いがありますが、概ね10～50万円程度が一般的な調査料金の相場となります。また、調査料金を少しでも安くしたいという方は、調査期間を限定して調査をしてもらうなど、探偵会社に相談してみると良いかもしれません。

事前見積りや無料相談を実施している探偵事務所・興信所が多いので、依頼前に複数の探偵会社に費用や調査内容を確認し、依頼先を検討すると良いでしょう。

まとめ

ここまで「素行調査」について意味や調査内容、調査をするケースなどについてご説明してきましたが、調査方法を一歩間違えると違法になる事から、法の知識を持たない素人では調査は行う事は難しいですね。
調査を依頼するのなら探偵や興信所に依頼をすると良いでしょう。

家族や会社の従業員などに気になる点があれば、プロの探偵に相談してみる事も検討しましょう。