離婚時に探偵や弁護士に依頼するメリットと注意点

離婚時に探偵や弁護士に依頼するメリットと注意点

パートナーとの離婚を考えている方、または既に離婚が成立している方へ。
厚生労働省の統計データ「令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、日本の離婚件数は179,096件

離婚の種類には調停離婚や裁判離婚などいくつかありますが一番多い離婚の方法は「協議離婚」で全体の88.3%となるようです。協議離婚というのは、夫婦が話し合い離婚に合意、成立した場合で離婚の方法として一番簡単な方法となります。

その他の11.7%の離婚は夫婦双方が合意できない点があるようなケースですが、折り合いが付かない時はどのように離婚を進めると良いのでしょうか。

本記事では、離婚についての概要をはじめ、探偵・興信所や弁護士に相談・調査を依頼するメリットについて解説します。

男女別離婚の原因を確認

離婚をする事になった時に探偵に調査を依頼するメリットって何かあるの?と思われるかもしれません。
まずは、裁判所の公表する「令和4年司法統計年報」で離婚の原因に関する情報を確認してみましょう。

裁判所に離婚の申し立てをしようと考えた理由として最も多いのは、男女ともに「性格があわない」という理由が多いようです。
その他、「異性関係」「浪費」が共通して高い順位に来ていることがわかります。

男性の離婚申し立て理由

1位性格が合わない
2位異性関係
3位浪費する
4位性的不調和
5位暴力を振るう
6位病気
7位酒を飲みすぎる

女性の離婚申し立て理由

1位性格が合わない
2位暴力を振るう
3位異性関係
4位浪費する
5位性的不調和
6位酒を飲みすぎる
7位病気

[参考]:婚姻関係事件数―申立ての動機別
https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/659/012659.pdf

性格が合わないというのは、双方で解決するしかないような問題と思いますが、男女ともに上位にランクインしている「異性関係」が原因で離婚する場合は、浮気や不貞などの確実な証拠があった方が、慰謝料請求や離婚交渉、離婚裁判(離婚調停)を有利に進められる事は想像に難くありません。

このように、離婚が有利に進められる確実な証拠を得る為には「プロの探偵」に調査を依頼する事を検討してみると良いかもしれません。

浮気や不貞が原因の離婚、探偵に依頼するケース

離婚前提で探偵に調査依頼をするケースで一番多いのは、やはり配偶者(妻または夫)の浮気や不貞行為が疑われるケースではないでしょうか。
浮気や不貞行為を理由に離婚を進めたい時には、確実に浮気や不貞をしている証拠を集めたいところですが、自分で完璧な証拠を集められない場合は、調査費用はかかりますが、探偵に調査を依頼する事が有効です。

確かな浮気・不貞の証拠があれば、浮気相手や不倫相手も含めた慰謝料の請求や、不貞を行ったパートナーとの離婚交渉が有利に進められるからです。

また反対に、配偶者から突然離婚を切り出されてしまった方もいらっしゃる事でしょう。
離婚の理由がなんとも釈然としなく、配偶者の浮気や不倫の可能性が高まった際にも、自分だけで真相を突き止めるのは難しいですね。そんな時にも探偵に調査依頼をすると、浮気の調査など依頼内容に応じて対応してくれます。

別居中であっても浮気や不貞の調査は依頼できます。相手が離婚に合意していない場合、縺れて別居に至る事はありますが、そこから先が中々進まないというケースもあるでしょう。浮気や不貞が原因で離婚を進める為に確実な証拠を探偵に調査してもらうのも良いかもしれません。

離婚後に探偵に浮気調査を依頼するケースも

なにも、調査は離婚前だけというわけではないのです。
離婚後に、元配偶者の浮気が発覚した人もいるかもしれませんが、もう離婚が成立したし…と、思われるのではないでしょうか。

離婚後に浮気を証明する事は、より直接的な確実な証拠が必要となり離婚前より難易度が高くなる場合が多いようですが、
「結婚していた期間中の浮気」を認めさせて関係を断つという意味では探偵の協力を得て証拠を収集しても良いのではないでしょうか。

浪費が原因の離婚、探偵に依頼するケース

配偶者の浪費を原因として離婚を考えている方も多いでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、その場合も探偵に依頼すると一役買ってくれます。

探偵は「浪費」を証明するような証拠を集める為、行動調査を実施します。

そもそも、「浪費癖に我慢できないから離婚したい!」という理由だけでは離婚が難しいようなのです。

お互いの合意を得て実行される「協議離婚」なら問題なく浪費が原因でも離婚できます。しかし相手が離婚を反対している場合には、裁判に発展しますが、その際に確かな浪費の証拠を提出し認められる必要があります。そのような証拠を手にするために、探偵に相談してみると良いかもしれません。

離婚の為の証拠収集方法とは?

離婚の為の証拠収集方法とは?

自分で証拠収集するにしても、プロの探偵に頼むとしてもどのように証拠を収集すると良いのか。
浮気の疑いがある配偶者を例に挙げると、調査対象者の尾行やホテルなど浮気現場に出入りする写真・動画を証拠として得る事は有効です。

この証拠は、自分で撮影する事も可能かもしれませんが、調査対象者に見つかってしまうと、その後調査して得られる可能性のあった証拠が得られなくなる可能性があります。

そこで、プロの探偵に調査を依頼するという方法があります。
離婚の証拠集めを探偵に依頼すると、素人とは違ったプロの尾行や決定的瞬間の撮影などを実施してくれます。費用がかかるので費用面に不安があれば、調査日をある程度限定する事で費用を抑える事が出来るなど工夫も可能です。
費用面は相談してみましょう。

また、調査対象者の同僚や友人などへの聞き込みも探偵に任せると良いかもしれません。
もし自分から動き、その動きが対象者の耳に入った場合、証拠を掴ませないような行動に出る事も予想されます。

証拠集めは慎重に行った方が良いでしょう。

探偵の選び方と料金相場

さて、離婚を考えている人にとって探偵が確実な証拠収集の為、重要な役割を担っている事がわかりましたが、信頼できる探偵はどのように選ぶと良いのでしょうか。

ポイントは、実績を確認する事と、料金の明確さなどがあげられます。
多くの探偵事務所は無料相談を実施しているので相談をしながら先に挙げたポイントを確認してみてください。

更に、探偵業を営む為の届出を行っている証として「探偵業標識」の確認も欠かせません。
探偵業を営むには公安委員会に届出をし営業所やウェブサイトへ「探偵業標識」を掲示することが義務付けられています。提示義務は例外として「常時使用する従業員数が5人以下」「ウェブサイトが無い」時には免除されますが、信頼性の証として「探偵業標識」が掲示されているかどうかも確認しましょう。

その他、インターネット上ではSNSを含め口コミを確認する事ができるので選ぶ際に参考にすると良いでしょう。

探偵に調査を依頼すると調査費用がかかりますが、依頼する料金の相場は、調査する内容や期間、動員される人数などにより違いが出てきます。調査内容が「浮気の調査」だったとすると費用相場は30万円~120万円程度のようです。
複数の探偵事務所に相談し、内容を比較検討すると良いですね。

離婚の相談は弁護士と探偵に

さて、探偵に確実な証拠を掴んでもらう一方で、弁護士にも相談する事が離婚の話し合いを有利に進められるためおススメです。
もちろん、双方納得した上での離婚であれば弁護士も探偵も相談の必要がないかもしれません。

しかし、双方が争う事が予想される離婚の場合は法律のプロである弁護士に相談・依頼すると、豊富な法律の知識を基に慰謝料や親権・養育費に関するアドバイスをしてくれたり、代理人として交渉を行ってくれます。

弁護士も依頼する際には料金がかかりますが、確実に離婚をしたい場合にはプロに相談すると良いでしょう。

探偵と弁護士が連携するのは違法ですか?

実は、探偵が依頼者に弁護士を紹介し利益を得る事は違法となっています。

しかし例外もあって、知人に相談され“善意&無料”で知り合いの弁護士を紹介したというケースは違法とはならないようです。
あくまでも、紹介により利益を得る事が違法となると解釈し、探偵のサイト上で「提携弁護士を紹介する」旨の記載を見かけたら違法でないかどうか慎重に見極めてください。

関連する弁護士法の条文の概要

弁護士法第27条

弁護士法第27条は、非弁護士との提携の禁止を規定しています。具体的には、弁護士は弁護士法第72条から第74条に違反する者から事件の周旋を受けたり、自己の名義を利用させたりしてはならないとされています。

弁護士法第72条

弁護士法第72条は、非弁行為の禁止を規定しています。弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で訴訟事件やその他の法律事務を取り扱うことを禁止しています。

弁護士法第74条

弁護士法第74条は、弁護士でない者の標示の禁止を規定しています。
弁護士または弁護士法人でない者が、弁護士や法律事務所の標示や記載をしてはならないとされています。

弁護士職務基本規定第11条

弁護士職務基本規定第11条は、非弁護士との提携の禁止を規定しています。具体的には、弁護士は弁護士法第72条から第74条に違反する者から依頼者の紹介を受けたり、これらの者を利用したりしてはならないとされています。

まとめ

離婚は結婚よりもエネルギーを必要とすると良く耳にしますが、
共に築いてきた財産や愛情、信頼を整理しなければならない為、手続きの他、心労も想像以上の負担となります。

そういった負担を軽減するためにも、プロに依頼するという選択肢を検討すると良いかもしれません。

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